キャッシュフロー表を自分で作ってみたものの、「こんなに貯蓄できていない」「毎年プラスになりすぎて現実的じゃない」と感じたことはありませんか?
また、FP(ファイナンシャルプランナー)に作ってほしいけれど、保険の勧誘や、都合のいいように数字を操作されるのでは…と不安に思う方も少なくありません。
結論から言えば、正確さを求めるならFPに任せる方が安心です。抜け漏れが少なく、将来のイベントや税金の扱いも反映できます。
ですが、「自分で家計の現在地を知りたい」「FP相談の前に準備しておきたい」という方に向けて、今回は**自分で現実的なキャッシュフロー表を作るコツ(1年目編)**をお伝えします。次回は2年目以降の考え方を解説します。
キャッシュフロー表とは?
キャッシュフロー表とは、将来の収入と支出、貯蓄の推移を年ごとに一覧でまとめた表のことです。
家計簿が「過去と現在のお金の記録」だとすれば、キャッシュフロー表はこれからの人生でお金がどう動いていくかを予測する「未来予想図」です
・毎年いくら収入があるのか
・教育費や車の買い替え、住宅費など、いつ大きな支出があるのか
・何年後に貯蓄が増えるのか、減るのか
こうしたお金の流れを一枚で把握できるため、老後資金や住宅購入などを考える上でとても役立ちます。
キャッシュフロー表の前に|どんな暮らしをしたいか書いてみる
お金の数字だけを見ていると、キャッシュフロー表はただの表になります。
大切なのは、「お金をどう使いたいのか」というイメージを持っておくことです。
- 毎年、家族や一人旅に出かけたい
- 好きなインテリアで家を整えたい
- 休日はライブや舞台を楽しみたい
- 資格や勉強にも投資したい
逆に、こう考えるのもおすすめです。
- お金がなくて友人の誘いを断る暮らしはしたくない
- 節約ばかり考えて楽しめないのは嫌
- 誰も家に呼べない状態は避けたい
【ステップ1】年間支出を把握する(最重要ポイント)
毎月の支出を細かく書き出す前に、まず年間いくら使っているかを出します。
●年間支出の式
年間支出 = 手取り収入 − 貯蓄・投資額
●手取り収入の出し方
源泉徴収票または給与明細1年分から、
年収 − 所得税 − 住民税 − 社会保険料 = 手取り
●貯蓄・投資として含めるもの
- iDeCo・NISA
- 確定拠出年金のマッチング拠出
- 会社の持株会
- 貯蓄用口座への振替
- 上記以外の株式・投資信託
昨年と比べて預金残高がいくら増えたか(減ったか)も確認してください。
これで、「理想ではなく“実際に使っている生活費”」が見えてきます。
【ステップ2】固定費を書き出す(大きな支出からでOK)
| 項目 | 例 |
|---|---|
| 生活固定費 | 通信費・サブスク・ジムなど。 光熱費は「4月+8月+12月÷3」でもOK |
| 住宅 | 家賃・管理費・駐車場。 持ち家の場合は固定資産税・火災保険 |
| 車関連 | 自動車税・保険・車検 |
| 年間イベント | 旅行・帰省・家電の買い替えなど |
| 教育費 | 保育料・学費・習い事 |
| 保険 | 掛け捨て・貯蓄型すべて |
ステップ1で出した 年間支出 − 固定費 = 変動費 + 使途不明金。
細かく埋められなくても大丈夫。「今の暮らしのリアル」を数字にすることが目的です。
まとめ|自分で作るからこそ見えるものがある
FP相談は安心ですが、自分でキャッシュフロー表を作ることには、
- 現在地を客観的に知る
- お金の流れを自分の言葉で理解できる
- 将来の選択肢を考える土台になる
という大きなメリットがあります。
まずは「1年目の現実的な数字」だけでOK。完璧でなくて大丈夫です。
次回は、翌年以降の収支の入れ方・将来のイベント費の考え方を解説します。


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