私たちは、買い物をする際、
「人気ランキング1位」「売れ筋1位」
という表示を見ると、つい手が伸びてしまうことがあります。
投資信託や株式でも同じことが起こります。
なぜ人は、“人気の高いもの”を選びたくなるのでしょうか。
その背景には、ヒューリスティック(思考の近道)が働いていると言われています。
◆ヒューリスティックとは
ヒューリスティックとは、限られた情報から素早く意思決定する仕組みのこと。
人間は毎日、膨大な選択に直面しています。
すべての選択を深く考えていたら、頭がパンクしてしまいます。
そこで私たちは、「なんとなく」「直感的に」判断できる方法を使って、生活の効率を上げているのです。
人気ランキング1位を選ぶ行動も、そのひとつ。
◆なぜ人気1位を選びたくなるのか?
① 「みんなが選んでいる=正しい」という安心
「多くの人が買っているのだから失敗しないだろう」という思い込みが働きます。
私たちは社会的な生き物であり、周りの選択に影響されやすい傾向があります。
「多数派=正解」と考えてしまう心理です。
② 情報の省エネ
人気1位には
「多くの人が評価している」 という情報がすでに含まれているため、
自分で細かく比較しなくても決めやすくなります。
忙しいときほど、“手間がかからない選択”を好みます。
③ 「無難に思える=リスクが低い」と錯覚する
これは、投資の現場でとてもよく見られる現象です。
実際、私がご相談を受けた方から
「(人気1位の)これを選んでおけば安全ってことですよね?」
と聞かれ驚いたことがあります。
気持ちはよく分かります。
人気がある=信頼されている、という見え方は「安心材料」になりやすいからです。
しかし、たとえ人気1位であっても、
株式投資は“リスク資産” に分類されます。
元本保証はなく、短期的には上下動が大きく、損失が生じる可能性があります。
人気=安全
人気=低リスク
と考えるのは、危険な思い込みです。
「誰かにとって良い」 が、「自分にとって良い」 とは限りません。
人気の高さを判断材料のひとつにするのは良いですが、
本質的なリスクを理解しないまま選ぶことには注意が必要です。
◆投資におけるヒューリスティックの落とし穴
1)本来の目的を見失う
自分に合うかどうかより、
“みんなが選んでいるから”という理由が優先されてしまう
2)中身を理解しないまま購入する
リスク・コスト・投資対象を理解せずに買ってしまう
3)長く持てない
値下がりすると、「やっぱりやめておけばよかった」と後悔しやすい
→ “自分で納得して”選んでいないから 不安が大きくなり、ブレやすいのです。
◆どう使えば失敗しない?
人気ランキングは悪ではありません。
むしろ、「まず候補を知る」という入口として役立ちます。
大切なのは、人気を理由に最終判断をしないこと。
✅確認したいポイント
- 自分の目的に合っているか
- 値動き(リスク)を許容できるか
- 手数料は適正か
- 長期で持てるか
人気はきっかけ。判断は自分の基準で行いましょう。
◆まとめ
- 人気1位を選ぶ行動はヒューリスティックによるもの
- 判断を簡易化し、安心を得たい心理が働く
- しかし、人気=安全・低リスクではない
- 投資では、目的・リスク理解が欠かせない
人気に頼りすぎるのは危険。
“自分に合う選択”ができるように意識したい。


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