資産運用の鍵はスイッチングという“出口戦略”

FP相談

はじめに:投資は「始める」より「終わらせ方」が難しい

投資を始めると、銘柄選びや資産配分ばかりに意識が向きがちです。
しかし、長期運用で最も重要なのは、必要なタイミングで資産を取り崩す前にどう守るか。

そこで登場するのが「スイッチング(入れ替え)」という考え方です。

スイッチングとは?

スイッチングとは、運用中の資産を別の商品へ移し替えること。
具体例としては、

  • 株式 → 債券
  • 株式 → 預金
  • 外国株式 →国内債券
  • 国内債券 →外国株式

なぜスイッチングが重要なのか?

目的金額に達した後も株式のまま運用し続けると、
市場下落で資金が減ってしまう可能性があります。

✅ 想定額に到達した
✅ 教育費・住宅購入などが近い
✅ 退職が数年後に控えている

そんなタイミングこそ、守りに入るべき時期です。

「100−年齢」ルールの背景

アメリカで広まった“100−年齢”という経験則があります。
これは、年齢が上がるほど株式比率を下げるべきだという考え方です。

背景には、

  • 若いほど労働収入があり、回復しやすい
  • 高齢になるほど元本確保が重要

という合理的な理由があります。
ただし、これは絶対的なルールではなく、目安に過ぎません。

若いうちは株中心でもOKな理由

もしスイッチングができるのであれば、

  1. 若いうちは株式中心で増やす
  2. 資金が必要になる前に安全資産へ移す

という戦略が成り立ちます。
企業型DCやiDeCoなどは、この方法を取りやすい制度です。

NISAでの注意点

現状のNISAでは、

  • 売却しても非課税枠は当年中に戻らない(翌年復活)

という仕組みのため、柔軟なスイッチングが難しいケースがあります。

ただし、金融庁が公表した2026年度税制改正要望には、
売却枠の当年復活が盛り込まれており、今後改善する可能性があります。

スイッチングは“売るため”ではなく“守るため”

誤解されがちですが、スイッチングは利益確定目的だけではありません。

  • 価格変動リスクを抑える
  • 必要な資金を確実に確保する
  • 将来の不安を減らす

という“生活を守るための行動”です。

まとめ:出口戦略が運用を成功に導く

  • スイッチング=資産の入れ替え
  • ゴールが近づいたら守りに入るのが鉄則
  • DC・iDeCoでは実践しやすい
  • NISAは制度面の理解が必要

資産形成は、増やす力と守る力のバランスです。
自分の目標時期に合わせて、スイッチングを取り入れてみましょう。


とはいえ、余剰資金を短期的にリスク資産で運用したい!という方もいらっしゃると思います。
次回は、「数年以内に使うお金をどう運用する?」の観点で短期目的における分散の考え方をまとめます。

  • リスク資産でも分散は必要?
  • 株式 vs 金 vs 債券の位置づけ
  • 3〜7年投資の注意点

などを整理していきます。

asanon

AFP(日本FP協会認定)資格、証券外務員一種保有。
これまでファイナンシャルプランナーとして家計や資産運用、保険、将来設計のサポートを行ってきました。
現在は通信制大学で経済や金融を学びながら、暮らしに寄り添うお金の考え方を発信しています。
このブログでは「お金の不安を、知ることで安心に」をテーマに、貯蓄・投資・家計管理・ライフプランなどをわかりやすく紹介。
目的は、誰かに任せるのではなく「自分で判断できる力」を育てること。
学びを通じて、人生と経済をつなぐヒントをお届けします。

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