家は「いくら借りられるか」でなく、「どんな暮らしを続けたいか」から考えるのが安心です。ここでは、手取りの15%を毎年コンスタントに貯蓄できるかをガードレールとして示しつつ、「買う」「まだ買わない(賃貸を続ける)」の両方の道筋をご用意します。誰かを否定するためではなく、今の自分に合う一歩を見つけるためのガイドです。
15%目安の「意味」と「幅」
・理想:20%(ゆとり◎。繰上げ返済や長期運用を同時進行しやすい)
・推奨:15%(金利上昇や修繕・教育への耐性が高い)
・要注意:10~14%(購入は可能でも、イベント年や金利上昇で苦しくなりやすい)
・見送り:~9%(まず体力づくりを。支出見直しや貯蓄の練習から)
※たとえば手取り320万円(年収約400万円)なら、15%は年48万円(毎月4万円相当)。
合否ラインではなく、守ると安心な“ガードレール”です。
住宅を「今」買うなら:最低限のチェック
1)住居費の上限を逆算: 手取り − 生活費 − 将来費(15%)= 住居費上限。
※住居費=返済+管理修繕+固定資産税・保険の月割。
2)金利ストレス:+1~2%の上昇でも家計が回るか。
3)生活防衛資金(6~12か月)は死守。
4)団信の特約(疾病・就業不能)の条件を確認(適用疾病・待機期間・支払限度)。
5)繰上げ返済:貯蓄額が減り、ローン返済が苦しくなったら返済額軽減型。
「まだ買わない」も前向きな選択: 賃貸のメリット
・柔軟性:転職・結婚・介護・教育などライフイベントに合わせて住み替えやすい。
・リスク分散:大規模修繕や価格変動・金利上昇の影響を受けにくい。
・初期コストが低い:頭金・諸費用を温存し、運用・自己投資に回せる。
・住環境の試走:学区・通勤・騒音などを見極めてから定住判断ができる。
「まだ」の人へ 貯蓄率を上げるための具体プラン
・支出3点見直し:通信・保険・サブスクで+1~3%の貯蓄率アップを狙う。
・15%に近づける練習:3か月だけ毎月4万円を先取り貯蓄してみる。
・住居費上限を再計算:家賃と同額ラインを基準に、エリア・築年・面積の優先順位を検討。
・3ヶ月に一度再点検:副収入・昇給・支出改善が進んだら、もう一度「今」の判断を。
「買わないリスク」もバランスよく
老後も家賃が続く、家賃上昇の可能性、高齢期の入居ハードル——。ただし、積立の継続・URや公的住宅・長期契約の活用など、対策はあります。焦って買うより、備えて選ぶが長い目では安心です。
まとめ
15%は“線引き”ではなく、暮らしを守るための目安。届かないなら整えてからでも遅くありません。
買う道/まだの道のどちらでも、次の一歩を具体化しておけば、未来の選択肢は増えていきます。


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