資産の種類と“動き方”の超入門
「分散投資って必要?」「S&P500とオルカンだけで大丈夫?」「株は怖い」——そんな気持ちは自然なこと。まずは資産そのものの性格を、むずかしい数式なしでつかんでおきましょう。
以降、専門用語は( )で補足します。
リスクって何のこと?(ボラティリティ/不確実性)
投資の“リスク”は、価格の振れ幅と先が読みにくい度合いのこと(ボラティリティ/不確実性)。一般に、振れ幅が大きい資産ほど、期待できるリターンも高めに設計されやすい(リスク・リターンの関係)。
まずは2種類だけ押さえる:債券と株式
債券(ボンド)
お金を貸すしくみ。満期(期限)があり、国に貸すと国債、企業に貸すと社債。多くは利息(クーポン)があらかじめ決まっています。満期まで保有すれば、原則は利息+元本が戻る想定。ただし、発行体の信用リスク(デフォルト)や、途中売却時の価格変動、変動金利商品などの例外はあります。イメージはローリスク・ローリターン。
株式(エクイティ)
企業に出資するしくみ。満期はなし。利益の一部を配当として受け取れる会社もあれば、配当ゼロの会社もあります。上場株なら基本いつでも売買できますが、価格はその時の市場次第。イメージはハイリスク・ハイリターンです。
もし会社が行き詰まったら(清算の順番)
清算では、債権者(債券など)→株主の順に整理されます。つまり、債券は一部戻る可能性がある一方、株式はゼロになる可能性が相対的に高い、という性格の違いがあります。
日本国債は絶対安全?(極端な仮定も知る)
現実には信用度が高いほど利回りは低くなりがちですが、それでもゼロリスクではない点は把握を。
極端な仮定として、財政が大きく揺らげば
・元本の一部カット(ヘアカット)
・満期延長
・利率引下げ
といった条件変更が選択されることも理論上はあります。あわせて、金利上昇で価格が下がるリスクやインフレ(実質価値の目減り)も基礎知識として覚えておくと安心です。
よくある疑問にひとこと
- 分散投資は必要? → はい。 資産の種類・地域・通貨を分けると、波がならしやすくなります(分散効果)。
- 株が怖い → 「怖い=知らない」なことが多め。 どこまで下がり得るかと、持ち方(配分・期間)を決めると、怖さは減ります。
- S&P500とオルカンで十分? → どちらも株式です。 株と債券の配分を意識すると、下落時の揺れ方が変わります。
預金を含めた全体のバランスとライフプランを総合的に見て、株式投資だけで良いのか、分散する必要があるのかを決める必要があります。
1行で比べると…
- 債券:満期あり・利息ほぼ事前確定(例外あり)=揺れ小さめ
- 株式:満期なし・配当ある場合も=揺れ大きめ
「知らないから投資しない」と「知っているけど今は投資しない」では、意味がまったく違います。
今日は“知る”一歩が踏み出せれば十分。
次回は、株の揺れを抑えるための投資信託(ファンド)を紹介します。


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