──迷ったときの判断ポイントを分かりやすく解説
教育資金の相談を受けていると、
「何のために、いくら必要なのかが明確でない」というケースがとても多くあります。
高校の学費なのか、大学の入学金なのか、私立か公立か、あるいは一人暮らしの予定なのか──。
これだけでも必要金額は大きく変わります。
まずは、「いつ・何のために・いくら必要か」をざっくりでも良いので整理することが、教育資金づくりのスタートです。
■ 老後はNISA、教育資金は学資保険?
近年は、老後資金としてNISAやiDeCoを使う人が増えています。
一方、教育資金になると「確実な方がいい」という理由で学資保険を選ぶ方も多いのが実情です。
しかし、学資保険とNISAでは仕組みも性質も大きく違います。
それぞれの特徴を理解しないまま選んでしまうと、後で「もっと増やせたかも」と後悔することもあります。
■ 学資保険は“確実性重視”の商品
●仕組み
学資保険は主に日本国債などの安定資産で運用され、
満期時の受取額があらかじめ決まっているのが特徴です。
返戻率はおおむね105〜120%程度(年率換算1〜2%前後)。
金利が低い現状では120%の商品は減ってきています。
●メリット
- 満期金がほぼ確実に受け取れる
- 親(契約者)に万が一があった場合、払込免除で満期金は予定通り支給
- 目的が明確な家庭に向く
●デメリット
- 途中解約すると元本割れ
- インフレに弱い
→ 仮に物価上昇率が2%なら「実質的にはほぼ増えていない」状態になる
安全性は高い一方、資産を大きく増やす商品ではありません。
■ NISA(投資信託)は“成長性重視”の商品
●仕組み
NISAでは、株式や債券の投資信託に積み立てできます。
長期データを見ると、
- 世界株式(MSCIコクサイ):年率約9%
- 世界債券:平均約3%
という実績があります。
もちろん将来の運用結果は保証されません。
●メリット
- 学資保険より「増やせる可能性」が高い
- インフレにも比較的強い
- 児童手当の長期運用にも相性が良い
- 必要な時期に合わせて、株→債券→現金のように調整できる
●デメリット
- 元本保証ではない
- 必要なタイミングで下落している可能性
- 価格変動による不安はつきもの
■ 判断ポイントは「期間」と「物価上昇率」
① インフレを考慮する
物価上昇率を平均2%と仮定すると、
学資保険の年1〜2%では実質ほぼ横ばい。
NISAならインフレ以上のリターンを狙える可能性があります。
② 積立期間
15年以上積み立てるなら、株式投信の短期的なマイナスを乗り越えられるケースが多いです。
必要時期が近づいたら債券へ移す、または一部現金化してリスクを抑えることができます。
③ リスク許容度
変動が怖い場合は
- 学資保険とNISAの併用
- 世界債券ファンド中心で積み立てる
- 目標額に達したら早めに現金化
など調整ができます。
■ 児童手当はそのまま貯金せず「運用」が有効
児童手当を普通預金に入れたままの人は多いですが、
0〜15歳までの長期資金なのでNISA(投資信託)での運用に向いています。
大学進学のタイミングで大きな差になりやすい部分です。
■ 教育費は“あとから見えてくる”ので問題ない
今は「いくら必要か分からない」という家庭がほとんどです。
子どもの成長とともに、進路や塾の有無などが具体化していきます。
だからこそ、
- 積立額
- 運用状況
- 必要時期
を定期的に見直しながら柔軟に調整すれば大丈夫です。
◆ まとめ
- 学資保険=確実性、NISA=成長性
- 物価上昇を考えれば、学資保険は「価値維持」に近い
- 15年以上の資金ならNISAの候補性が高い
- 不安なら併用もOK
- 児童手当の運用は特におすすめ
- 教育費は成長とともに見えてくる → 定期的な見直しが大切
「確実に貯めたい」か「効率よく増やしたい」かで選び方は変わります。
将来の不安を少しでも小さくできるよう、仕組みを準備しておきましょう。


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