日本が世界で影響力を持つ理由

日々の問いと記録

人口の多さや広大な国土が、そのまま国際的な影響力につながるわけではありません。
日本は島国で国土面積は世界63位、人口も現在は世界12位程度。しかし、名目GDPは世界4位、株式市場の時価総額はアメリカ、中国に次ぐ世界3位とされ、経済的に大きな存在感があります。
なぜ日本は、人口規模や地理的条件に比して、国際社会で影響力を保ち続けられているのでしょうか。

その背景の一つに、対外純資産の大きさがあります。
1980年代、日本は自動車や電機製品を中心とした輸出大国として成長しました。輸出で得た利益、さらには企業の積極的な海外展開によって、海外に保有する資産が積み上がりました。
その結果、日本の対外純資産残高は1991年以降34年連続で世界1位。現在も他国を大きく引き離しています。

対外純資産残高とは
海外に持つ資産から、海外に対して負っている負債を差し引いた金額のことです。日本企業が保有する外国株式や債券、銀行による海外融資、日銀の外貨準備、そして企業が現地に工場を建てるなどの直接投資も含まれます。
単に「金融資産を買っている」というより、日本のビジネスや、知的財産が海外に広がっていることを示す指標なのです。

では、なぜこの数字が国際的影響力につながるのでしょうか。
第一に、海外資産から生まれる利息・配当といった所得が継続的に日本へ戻ってくるため、経常収支を安定させる力があります。
第二に、資産が大きい国は通貨や国債が信頼されやすく、国際金融市場で存在感を持ちます。
第三に、資産を通じて海外経済と深く結びつくため、外交・経済交渉の場で発言力を確保しやすくなる点も重要です。

もちろん、日本の強みが永続するとは限りません。国内では少子高齢化、人口減少、労働力不足、生産性の伸び悩みなどの課題が顕在化しています。海外で資産が増え続けても、国内の経済が縮小すれば技術投資や産業競争力は弱まり、いずれ影響力が相対的に低下する可能性があります。国際的な存在感を維持するためには、外貨を稼ぐ力だけでなく、国内の成長力・イノベーション・人材育成が欠かせません。

日本は巨大な人口国家ではありません。しかし、経済規模、金融資産、企業力、国際連携の蓄積によって、世界の経済運営に関わり続けてきました。これからの日本に必要なのは、外に広がった力と国内基盤をどう結び付けていくか。その視点こそ、未来の国際影響力を左右するのだと思います。

asanon

AFP(日本FP協会認定)資格、証券外務員一種保有。
これまでファイナンシャルプランナーとして家計や資産運用、保険、将来設計のサポートを行ってきました。
現在は通信制大学で経済や金融を学びながら、暮らしに寄り添うお金の考え方を発信しています。
このブログでは「お金の不安を、知ることで安心に」をテーマに、貯蓄・投資・家計管理・ライフプランなどをわかりやすく紹介。
目的は、誰かに任せるのではなく「自分で判断できる力」を育てること。
学びを通じて、人生と経済をつなぐヒントをお届けします。

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